ティク・ナット・ハン新刊

ここ数年、3月末には、ベトナム出身の仏教者ティク・ナット・ハンの新刊を刊行している。
今年編集しているのは、『ブッダの〈今を生きる〉瞑想』。
ティク・ナット・ハンが、『ブッダの〈気づき〉の瞑想』『ブッダの〈呼吸〉の瞑想』とともに、瞑想の基本図書としている一冊だ。

誤解を恐れずに言えば、〈気づき〉は等身大のありのままの自分に気づくことを教え、〈呼吸〉は瞑想の基本的な方法を示していると言える。それに対して今回の〈今を生きる〉は、過去を悔やんでも未来に託しても現実的でなく、今、この瞬間に、ここに生きていることから出発しなさいと教えていて、瞑想の方法というよりも姿勢を示していることで「基本」と言える内容だ。

今という時間にしか現象しないというのは、考えてみれば、哲学・社会学の時間論にも通じていて、ルーマンのリスク論とも関連して、僕には、瞑想とは別の意味でも楽しい編集作業になっている。

今年はいつもより半月早く、3月中旬にお届けできる予定だ。

三浦半島の海蝕洞穴遺跡

今日、三浦半島の三崎口に行ってきた。シリーズ「遺跡を学ぶ」で刊行予定の「三浦半島の海蝕洞穴遺跡」の件で、著者の中村勉さんと打合せをするためだ。

三浦半島の海岸線の崖には洞穴がたくさんある。その中のいくつかは弥生時代の遺物が出土する。しかし、洞穴はじめじめして暗く、落盤の危険もある。「なぜ、このような場所に人びとの営みがあるのか。その営みがなぜ洞穴でなければならなかったのか」これが本遺跡のテーマとなる。

その理由は・・・、地元で長く発掘調査と研究に携わる中村さんの説明は、地元のことにくわしい研究者ならではのたいへん興味深い話なのだが、それは本書刊行時のお楽しみに。来年の夏までには刊行する予定だ。

下の写真は、多くの洞穴遺跡の中でも現在見学できる「大浦山洞穴」。

大浦山洞穴

そして、下のもう一枚は、半島の台地上に営まれている現在の畑。洞穴と台地の関係、これが鍵となる。

三浦半島丘上

第3回配本日決定!

シリーズ「遺跡を学ぶ」第3回配本の見通しがやっとつきました。1月8日(金)に見本ができますので、18日(月)には書店に並ぶ予定です。

書名は、すでに告知しましたが、以下の通りです。
105巻『古市古墳群の解明へ 盾塚・鞍塚・珠金塚古墳』(田中晋作著)
106巻『南相馬に躍動する古代の郡役所 泉官衙遺跡』(藤木 海著)
ご期待下さい!

もう1冊は・・・

シリーズ「遺跡を学ぶ」第3回配本のもう一冊は、福島県南相馬市にある古代の郡衙役所の遺跡です。
著者は、南相馬市職員の藤木海さん。文化財関係の仕事をしていましたが、東日本大震災後は住宅関係の仕事に奔走していたとのことです。地元の遺跡を調査・保存することの意義を次のように記しています。
「(遺跡のある)本地域の一部を含む、原発事故の避難区域となった地域では、住民の離散によって、今、地域社会が消滅の危機に瀕している。その復旧・復興には、長い時間を要するであろう。しかし、いかに時間が経過しても、地域がこれまでに歩んできた歴史をよりどころとすれば、それを取り戻すことができると考える。」

1月の刊行となります。しばらくお待ち下さい。

106巻
南相馬に躍動する古代の郡役所・泉官衙遺跡

《東日本大震災で津波被害にあった福島県南相馬市には、古代の役所「行方郡衙(なめかたぐんが)」が置かれていた。戦乱・災害に激動する古代東北の地に、律令国家と地域社会を結ぶ要となり、産業振興に大きな役割を果たした郡役所の姿を追う。》

遺跡シリーズ106カバー_ol_cs4

第3回配本遅れてます……

早いもので今年もあとひと月となりました。そして12月1日は、シリーズ「遺跡を学ぶ」の第3回配本日です。ですが、制作が遅れております。誠に申し訳ございません。ひと月程度遅れそうです。

第3回配本の一冊、第105巻は『古市古墳群の解明へ・盾塚、鞍塚、珠金塚古墳』。著者は、かつて同古墳の報告書作成にかかわり、古市古墳群の副葬武具・武器研究に造詣の深い山口大学教授の田中晋作氏です。もう少しお待ち下さい。

《大阪府南東部に広がる大古墳群、古市古墳群は、古墳時代中期のヤマト政権を探究する鍵と目されているが、おもな巨大前方後円墳が陵墓・陵墓参考地とされているため調査が進んでいない。武具・馬具・装身具の副葬が特徴的な三古墳から古墳群全体の解明をめざす。》

遺跡シリーズ105カバー_初

『日韓〈歴史対立〉と〈歴史対話〉』

今日の新聞夕刊によると、日韓首脳会談が開催されるそうだ。3年半ぶりとのこと。こんなに長い間会談が行われなかった原因は、日韓の歴史認識の対立にある。今回の会談でも朴大統領は、「従軍慰安婦」問題の「解決」を求めるという。

この日韓関係について多くの人は、「両政府は、いいかげんうまく処理してくれないかなあ」と思っているのではないだろうか。しかし、「日韓の歴史認識の対立」とは何か、その実際は案配知られていない。その点を問題にした翻訳書を、ただいま編集中だ。

日韓どちらにも偏らず、問題と経過を整理し、和解への提言を記した書である。

『日韓〈歴史対立〉と〈歴史対話〉──「歴史認識問題」和解の道を考える』
著者は、鄭在貞(チョン・ゼジョン)さん。韓国でこの問題の専門家。
定価は2500円+税で、11月上旬に刊行の予定。

カバー03

鄭さん曰く、「日本と韓国の歴史認識の対立は、今やうんざりするような陳腐なテーマだろう。しかし、実際には歴史認識と教科書問題の本質は何なのか、その根源はどこにあるのか、両国は今までこの問題をどのように扱ってきたのかを正確に知る人はさほど多くない。正しく知らないために、韓国と日本の間で歴史認識の対立が激しく噴出するたびごとに、事実に合わない脈絡から脱却できない言説が横行し、このことがさらに誤解と偏見を増幅させ、問題解決をより困難にさせているのである。」

日本考古学協会・奈良大会に出展

今週末17日(土)、18日(日)に、奈良大学で日本考古学協会の大会が開催されますが、18日(日)の図書交換会に当社も出展いたします(10時〜15時)。場所は体育館です。

シリーズ「遺跡を学ぶ」の全点や他の考古学図書を展示します。ぜひ、この機会に手にとってご覧下さい。

『島に生きた旧石器人・沖縄の洞穴遺跡と人骨化石』

シリーズ「遺跡を学ぶ」のもう一つの最新刊です。

第2ステージ第2回配本(10月1日)第104巻は、
『島に生きた旧石器人・沖縄の洞穴遺跡と人骨化石』山崎真治著です。
http://www.shinsensha.com

遺跡シリーズ104カバーout

アフリカを旅立ち、東アジアに拡散した現生人類は、四万〜三万年前、海を渡って沖縄の島々へ到達した。石垣島の白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡と沖縄島のサキタリ洞遺跡からみつかった人骨化石や貝器から沖縄人類史の謎に迫る。

旧石器時代の全身人骨として有名な港川人の謎。人骨が出ているのに、使っていた道具、たとえば石器や暮らしの痕跡が見当たらない。その沖縄人類史の謎に、著者は新たな二つの洞穴遺跡の発掘調査から迫っていきます。

 

『黄泉の国の光景・葉佐池古墳』

シリーズ「遺跡を学ぶ」の最新刊です。

第2ステージ第2回配本(10月1日)第103巻は、
『黄泉の国の光景・葉佐池古墳』栗田茂敏著です。
http://www.shinsensha.com

遺跡シリーズ103カバーout

愛媛県松山市の郊外、道後平野をみわたす丘陵上で未盗掘の古墳がみつかった。一四〇〇年あまりの時をへて慎重に開けられた石室内には「記紀」が記す神代の説話、イザナキの黄泉の国訪問譚を彷彿とさせる光景がひろがっていたのである。

「記紀の説話は、横穴式石室内における行為や光景を説話化して表現したものだと古くからいわれている。遺骸を納める玄室を黄泉の国に、羨道をヨモツヒラサカに、閉塞石を千引きの石に置き換えて物語が構成されているというのである。一号石室内での被葬者Bの、多量のハエにまみれた姿は、奇しくもこの黄泉の国説話におけるイザナミの姿を彷彿とさせるものとなった。」

ブログ再開

しばらく休眠中でしたが、ブログを再開いたします。

新刊・近刊・近未来刊(?)情報、イベント情報、編集作業で考えたこと、発見したことなどを記していきます。

とくに、シリーズ「遺跡を学ぶ」の次回以降の刊行遺跡を取り上げます。

よかったら、たまに見てください。