安丸良夫氏逝去

日本史研究者、民衆思想史の安丸良夫氏が逝去された。

大学に入ってまもなく講義の課題で『日本の近代化と民衆思想』を読んで、何もわからなかったけれども、学問というものが、対象をただ研究することではなく、自分のものの見方、社会の見方の深さが問われることであることを思い知らされた。

それから三〇年以上経つが、その後、そうしたずしりと重い本に出会っていないし、自分もそうした本を編集しえたという実感がない。その後、民衆思想史(民衆史ではない)という方法は発展しなかったように思う。どこに問題があるのだろうか。その見方はどこへ行ってしまったのだろうか。本作りのなかでいつも気になっている。