『文化財保存70年の歴史』刊行

文化財保存全国協議会編による『文化財保存70年の歴史──明日への文化遺産』(A5判上製/縦組み/392ページ/定価3800円+税)を刊行しました。

本書は、戦後の経済発展のもとで、破壊された遺跡、保存された遺跡の貴重な記録で、戦後70年間に日本列島で起こった主要な遺跡破壊問題・保存の取り組みを、当時、保存運動を担った人を中心に報告していただいたものです。これだけの歴史を記録した書籍は今までになかったですし、これからも出ないでしょう。そうした点で、文化財を知るための貴重な一冊です。

●主要目次
1 文化財保護法の成立と月の輪古墳
2 戦後復興とイタスケ古墳
3 高度経済成長と平城宮跡
4 住民運動の高揚と池上曽根遺跡
5 文化財訴訟と伊場遺跡
6 高速交通網の整備と裏山遺跡
7 新しい市民運動と田和山遺跡
8 文化的景観と世界遺産
9 大震災後の文化財救援活動と災害遺構の保存
10 戦後70年と戦争遺跡
〈コラム〉登呂遺跡、岩宿遺跡、南堀貝塚、綾羅木郷遺跡、田能遺跡、加曽利貝塚、摂津加茂遺跡、多摩ニュータウン遺跡群、難波宮跡、青木遺跡、塚原古墳群、三ツ寺Ⅰ遺跡、吉野ヶ里遺跡群、鷲城・祗園城跡、鞆の浦、平泉柳之御所遺跡、神戸港震災メモリアルパーク、木籠メモリアルパーク、原爆ドーム、首里城

沖ノ島が世界遺産へ

沖ノ島が世界遺産になりそうだ。諮問機関のイコモスが文化庁の推薦した沖ノ島を世界遺産に登録するよう世界遺産委員会へ勧告することになった。「古代祭祀の記録を保存する、類いまれなる『収蔵庫』」という評価らしい。一方、大島にある宗像大社中津宮や宗像市の辺津宮は除外する勧告である。

私たちから見ると、祭祀としては一体であるはずの中津宮や辺津宮を入れないのは不自然に思うのだが、外から見るとそうではないらしい。なぜ切り離せるのか、逆から言うと、なぜ一体としか見れないのか、そのあたりに「祭祀」ということを深く考えるきっかけがあるかもしれない。

かつて沖ノ島調査に参加した弓場紀知氏が、シリーズ「遺跡を学ぶ」013巻『古代祭祀とシルクロードの終着地 沖ノ島』で、沖ノ島祭祀の考古学的な内容と価値について解説しています。