シリーズ遺跡を学ぶ117・118出来

24日(金)に、シリーズ「遺跡を学ぶ」117巻『船形埴輪と古代の喪葬 宝塚一号墳』、118巻『海に生きた弥生人 三浦半島の海蝕洞穴遺跡』の見本が無事出来た。書店には4月に入れば並ぶだろう。

今日は、118巻『海に生きた弥生人 三浦半島の海蝕洞穴遺跡』の著者、中村勉さんに見本を渡すために、横須賀市自然・人文博物館で開催された、横須賀考古学会主催の研究集会「墳丘を持たない古墳時代の石棺墓」に行ってきた。

墳丘もなく、海岸にある石で囲んだだけの古墳時代の簡単な墓が、このところ列島各地の海に面した場所で見つかっているという。その事例を発表し、何かを考える集会だ。多くの参加者があって活発な議論があった。

奈良県や大阪府の巨大古墳をみんなが言及するのは、そこから当時の日本の権力の動向を見ることができるから。群馬などの地域の巨大古墳も、その地域の首長・権力を解明するためだろう。では、墳丘もない簡素な石棺墓は、何のために探究するのか。

『海に生きた弥生人 三浦半島の海蝕洞穴遺跡』を編集させていただいた浅学が思うには、主催者側の中村さんはご自分の発表以外はあまり発言しなかったけれども、巨大古墳から権力のヒエラルキーを見てしまうような歴史観ではなく、地域地域にそれぞれの独自の生き方と、そうした人たちの列島のつながりがあるということから歴史に組み立てようよ、と言いたかったに違いない。

N・ルーマン著『理念の進化』

久しぶりにニクラス・ルーマンの新刊を刊行します。4月初旬には書店店頭に並びます。

N・ルーマン著/土方透監訳『理念の進化』
(A5判上製/320ページ/定価3800円+税)

ルーマンは1998年に亡くなっていますから、2008年にドイツで刊行された本書は落ち穂拾いのような寄せ集めの論文集と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、本書に収録された論考は、『社会構造とゼマンティク』のシリーズに入れる構想でまとめられていたものでした。以下の目次を見ると納得していただけると思うのですが、近代の「思考」の前提・根底・中枢となっている、「進化」「階級」「科学(真理性)」「合理性」などの概念を問い直すものです。

●目次
第1章 意味、自己言及、そして社会文化的進化
第2章 社会階級の概念について
第3章 科学の発生──認識獲得システムの分出
第4章 近代社会の合理性
第5章 社会学的パースペクティヴにおける理念史

次のような文章は、ルーマンらしいと言うべきか、意外と言えるでしょうか。

「実際のところどうであったのかを確かめる任務を与えられ、野に出た研究者たちは二度と戻ってこない。獲物を仕とめてくることもなければ、報告することもない。細部の虜となった彼らは嗅覚を働かせ、いつまでもその場にとどまる。」

「個別の歴史的発展にとっての決定的な原因を探そうとすることもナンセンスである。カール・マルクスとマックス・ヴェーバーは、その信奉者たちがどのような追加的な詭弁を弄して抗弁しようと、そうしたアプローチをとっていることからして、お払い箱にされる。」

年度内刊行も大詰め

新年度、新しい春に、書店に並べていただけるように、現在、制作の大詰めを迎えています。作業している本は以下の通り。

 永田夏来・松木洋人編『入門 家族社会学』
A5判/240ページ/定価2300年+税

 ニクラス・ルーマン著、土方 透監訳『理念の進化』
A5判上製/320ページ/定価3800年+税

 シリーズ「遺跡を学ぶ」117
 穂積裕昌著『船形埴輪と古代の喪葬 宝塚一号墳』
A5判/96ページ/定価1600年+税
シリーズ「遺跡を学ぶ」118
 中村 勉著『海に生きた弥生人 三浦半島の海蝕洞穴遺跡』
A5判/96ページ/定価1600年+税

 秋山浩三著『弥生時代のモノとムラ』
A5判上製/432ページ/定価10000年+税

4月に入れば、どれも発売になる予定。