116巻は『上淀廃寺』

シリーズ「遺跡を学ぶ」の115巻『吉野ヶ里遺跡』と同時に刊行するのは、116巻『よみがえる金堂壁画 上淀廃寺』(中原 斉著)である。鳥取県の旧淀江町の上淀集落でみつかった、今は廃れてしまった寺院ということで上淀廃寺というとのこと(現在は米子市)。元は飛鳥寺、法隆寺といった寺名があったはずだが今はわからない。

その上淀廃寺から、壁画が描かれていた金堂の壁材片が出土した。白鳳時代の金堂壁画というと法隆寺金堂壁画しか知られていなかったので、驚きをもって迎えられた。金堂は奈良時代に炎上した。そのために焼け締まって、かえって土の中で腐食せずに残った。しかし、焼けたために、描かれた絵の具の成分により、消えてしまった絵の具があり、白鳳当時の煌びやかな世界がそのまま残ってはいない。

ひとつひとつの壁画片から元の壁画を復元してゆくのが本書のストーリーの骨格になる。壁画片ひとつひとつの写真、そして復元した壁画の画像、それと法隆寺金堂壁画、さらに敦煌莫高窟の壁画と塑像の写真も掲載したので、白鳳の仏教彩色仏教壁画の世界を楽しんでほしい。(結構、費用がかかりました)

上淀廃寺の壁画はかなり熟練した画工によるという。著者は、法隆寺壁画を描いた人物(工房)との関連性も想像している。

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