113巻の紹介

114巻『九州の銅鐸工房 安永田遺跡』の概要を先日紹介しましたが、同時発売(11月末)の113巻『縄文のタイムカプセル 鳥浜貝塚』の概要がまとまりましたので紹介いたします。

シリーズ「遺跡を学ぶ」113
縄文のタイムカプセル 鳥浜貝塚
田中祐二著

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名勝三方五湖の最奥、三方湖近くの鳥浜貝塚から、縄文時代の丸木舟や赤漆を塗った櫛、多彩な縄と編物、骨や角でつくった精巧な装飾品など有機質の遺物が豊富に出土した。その洗練された技術と色彩感覚は、縄文時代のイメージを一変させるのに大きな役割をはたしたのである。
「通常の縄文時代の遺跡から出土する多くは、無機質の土器や石器、地面を掘りくぼめただけの竪穴住居跡といった、茶色や灰色、黒色と色彩に乏しく、質感の冷たいものであり、まさに見栄えのしない印象しかもてなかったからである。
ところが、低湿地性貝塚である鳥浜貝塚からは、縄文時代、それも前期という早い段階の、大型のものでは丸木舟にはじまって、櫂、石斧柄、弓、容器、櫛などの木製品、縄や編物など繊維製品、刺突具やヘアピンと思われる骨角器など有機質の遺物が豊富に出土したのである。しかも、木製品だけでなく、土器にも漆が塗られるなど、その洗練された技術や色彩感覚は、縄文時代の暗くてみすぼらしいというイメージを一変させるのに大きな役割をはたしたのである。」

●目次

第1章 湖畔の縄文遺跡
   1 母なる海と湖
   2 古三方湖と遺跡群
第2章 鳥浜貝塚を掘る
   1 鳥浜貝塚の発見
   2 こじ開けられたタイムカプセル
   3 自然科学研究者の参加
   4 念願の住居跡発見と貝塚の成り立ち
第3章 鳥浜貝塚の時代と自然環境
   1 鳥浜貝塚の時代
   2 土器編年の確立
   2 自然環境の変化
第4章 鳥浜縄文ムラにせまる
   1 鳥浜縄文ムラの痕跡
   2 鳥浜縄文人の食料と生業
   3 鳥浜貝塚は「定住」集落だったのか?
   4 クリとウルシの管理栽培は
第5章 鳥浜縄文人の世界
   1 煮炊きの道具だけではない土器
   2 生活の変化を示す石器群
   3 鳥浜貝塚を特色づける木の道具
   4 姿をあらわした縄と編物の世界
   5 骨角器と装身具
第6章 鳥浜貝塚を伝える

●著者紹介
田中祐二(たなか・ゆうじ)
1974年、兵庫県生まれ。
明治大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了。
現在、福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館主任。
主な著作 「鳥浜貝塚出土の石器群(1)─草創期石器群の器種分類」『鳥浜貝塚研究』3、『特別展図録 鳥浜貝塚とその時代』福井県立若狭歴史民俗資料館ほか。

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